テナントへの入居

まともにお店を開く場合、テナントに入る事が最も多いのではないでしょうか。 ここではアパートとは違う、テナントならではの知っておきたい事をお話しします。

まず、テナントとアパートでは当たり前ですが設備が違いますよね。 例えばお風呂なんかテナントにあるとは思えません。 逆にトイレなんかテナントでもアパートでもあるのが当たり前と思ってしまいますが、 トイレのないテナントも普通にあります。 ショッピングモールなどでは1テナント毎にトイレは用意されてませんし、 驚きなのが、1階がテナントのマンションなどでもトイレがない場合もあるのです。 近くにトイレがあるわけでもなく、入居者自身がトイレを用意しなければいけないのです。 それはそれでそのテナントの設計ミスというか、失敗例とも言えますけどね・・・。 他にも冷暖房の空調設備、キッチンなどがないところもあります。

アパートではそれらの設備があるところを探したりしますが、 テナントの場合、立地条件を最優先するので、 なければ自分で用意すると考える方がいいです。 当然その分費用がかかるわけですが、 それも開業に必要な経費として足しておきます。 とは言え、トイレと水道はほとんどの場合ありますけどね。

実際にテナントに入る場合にびっくりするのが敷金礼金が超高額だと言う事です。 正直これを聞いてお店を開く事を辞める人が多いんじゃないかと思ってしまいます。 アパートでは数万や数十万ですが、テナントの場合安くて数十万、普通は数百万です!!! アパートと比べて面積が同じでもテナントになるだけで家賃も敷金もやたら高いです。 ただ、簡単に言ってしまうと自分のお店を持つのであれば、 それ以上の利益を上げれば良いわけで、多くのお店はそうして続けているわけです。 テナントの敷金が高い時代はもう終わるんじゃないかと思うこともあって、 現にテナントでも敷金がいらないところもあります。 また、敷金や家賃が高額であっても、立地条件で簡単に逆転できるし、 数年、数十年お店をするのであれば元がとれるとも言えます。

テナントに入る場合、そこの家主または管理会社と契約するわけですが、 「テナントと家賃」に私のトホホな失敗談を書いてますので、 興味があれば読んでみて下さい。 という失敗から、テナントを借りる場合はちゃんとした管理会社の付いているところを選ぶ方が安心です。 もし立地条件が良いのに、管理がグダグダの場合は自分自身がしっかりしなければいけません。 普通は私の失敗のように、家賃が変わることはまずありません。 なので、あちこちの不動産会社などに行って貰える物件情報(大体1テナントに1枚の紙で貰えます)は、 そのまま有効と思っていてもいいんじゃないでしょうか。

契約自体はさして難しい事はなく、単に入居に必要なお金の問題で、 ハンコさえあれば契約は終わります。 良く言われるのが、「入居の際の契約書は一通り目を通す」という事なのですが、 正直これ読んでる人いるんでしょうかね・・・。 管理会社がまともなところであれば滅多な事はないと思いますが、 気になるなら契約書を読む方がいいんでしょうね。 簡単なのは「そのテナントに入っている違うお店の経営者に聞く」事です。 引越しの挨拶みたいなもので、 「今度そこの部屋に入る予定の者です。」と挨拶がてらテナントのオーナーの事や、 入居して困ったことやトラブルなどなかったか聞いてみます。 実際に私も聞いてみたのですが、生の声が聞けて結構おもしろいです。 同じテナントで、
「ここのオーナーは親身に商売が上手く行くように相談に乗ってくれる」
「看板の大きさや場所などいちいちうるさいので出ようと思っている」
「家賃で揉める人が多いみたい」
などなどです。
とりあえずお金にうるさそうと言うことが分かりますよね。 後は見た目にうるさそうなので、設置物などに気をつける感じでしょうか。 よほど酷いことがあれば、その時に言ってもらえるかもしれません。

まぁ総じてテナントの入居店がコロコロ変わるというのは、 無計画にお店を始めた人を除けば何か問題があると言えます。

テナントへの入居が決まれば、税務署への開業届け提出をして、いよいよ個人事業主になります。